こんにちは!枚方の司法書士、尾花健介です。

分かってしまえば簡単なんですが、司法書士になる前は、私も不動産の権利証と言われても全然意味が分かりませんでした。

特に、登記識別情報通知と登記済証の違いで全く区別がつきませんでした。

不動産を売却することになった方が、司法書士やら不動産屋さんに「用意しといてくださいね~。」と急に言われても、何のことかよく分からない書類だったりします。

しかし、不動産の取引で一番重要な書類であるために、理解しておくに越したことはありません。

ここでは、世間一般的に不動産の権利証と呼ばれている、登記識別情報と登記済証について、説明していきます。

目次【本記事の内容】

1.登記識別情報通知と登記済証とは?

登記識別情報通知と登記済証と言われるいずれの書類も、国が発行して不動産の名義人となった人に渡される証明書と言えるものです。

外見上だと登記識別情報はA4サイズ足らずの紙で不動産ごとに一通ずつ発行された形になっています。

特徴的なのは、用紙の下の部分にシールや袋閉じの封印で、アルファベットと数字の羅列で出来たコードが隠された部分がある書面になっています。

対して登記済証と呼ばれる書類は、外見上は殆どが書類作成当時に司法書士が作成した装丁で小冊子のような形に纏められている場合が一番多いです。

この冊子を開いてみると、登記を作成した当時に使用した登記申請書の末尾に、法務局が押した黒字の印判に登記が申請された日付や受付番号が押印されており、同時に受付法務局の朱肉の押印もされている形になっているかと思います。

ちなみに、いずれにしても一般的には土地(家屋)の権利証と言われることの方が多く、こちらの方が馴染みやすい言葉かもしれません。

不動産登記法や取引上の話としては、厳密な意味では少し違うのですが、ニュアンス的に登記済証だけを指す意味合いで使われるときが多いですね。

2.登記識別情報通知と登記済証の違いとは?

この二つの違が何かというと、インターネットを使って、早く売り主の情報を法務局に伝えられるかどうかの違いになってきます。

上記の二つの書類のうち、登記識別情報通知と呼ばれる書類のほうが、このインターネットでの情報伝達に利用される書類です。

インターネットで登記を申請できるようになった、平成17年以降に登記の名義人になった方に発行されています。(※厳密には、各地域によって、不動産登記申請がオンライン化の準備が完了した時期は異なっているので、ご覧いただいている皆様の地域の識別化の時期には、数年単位の差異があります。)

より詳しく話をすると、司法書士たちが不動産の売買などによる所有権移転の登記を申請するときに、そのまま司法書士のパソコンからインターネット経由で情報を送ることができます。

その時に作成した登記申請内容に記載されている売り主さんが、現在の不動産登記簿に乗っている売り主さん本人からの申請で合っているのかを確認する意味合いで、アルファベットと数字の羅列で出来たコードを利用して、オンライン上に添付する情報として作られた代物だったりします。

もちろん、古い方の登記済証でも、申請書だけをインターネットを利用して法務局に申請することも可能です。

その時は、後から郵送で登記済証を物理的に発送する手間を加えることになります。

ちなみに現在は、新しく登記を申請して発行されるのは登記識別情報通知の方だけです。

不動産登記法が平成16年に改正されてからは、以後、一部の特殊な不動産を除いては、登記済証は発行されなくなりました。

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