こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。

さて、前回は相続放棄の基本情報について記載してみましたが、実際に問題、実務上でも家庭裁判所への相続放棄の相続放棄申述をすることはおおいです。

少子高齢化にともない、自然と相続の発生自体が増えたことも考えられますが、それ以上に、借金を抱えたまま亡くなってしまう個人の方の増加も原因でしょう。

事実、相続放棄をご希望されるお客さまの理由で一番多いのが、『被相続人の借金を相続したくない。』というのが一番多いです。

そして、その次に、お客様と被相続人同士が疎遠で、ほとんど面識が無いために、そのような相手の財産を相続したくないという場合が続く感じでしょうか。

基本的に借金を相続したくない場合などの上記の場合だと、相続放棄をしても何かデメリットが発生することは殆どありません。

しかし、お客様の中には、上記以外の理由で、相続放棄のご相談をご希望されるケースもございます。

それは、相続放棄を利用して相続財産の額や誰を相続人にするかといった相談をいただく場合です。

この場合に、相続放棄を実施するには、慎重になったほうがいいかもしれません。

予期せぬ、親族が相続人になってしまい、当初の意図とは全く違った相続結果になってしまうからです。

目次【本記事の内容】

1.『あなたは誰ですか!?』予想せぬ相続人の登場

下記のような事例を想像してみて下さい。

ここで気を付けるべきは、冒頭のような、借金の相続を回避したいなどの、シンプルな理由の相続放棄ではなく、相続放棄を利用し、相続財産をコントロールする場合で大きなリスクについてです。

例えば…、

  • ①家業跡継ぎの長男がいて、全財産を相続させるために他の兄弟が相続放棄をするような場合。
  • 未婚で子供がいない単身者が亡くなり、相続人が母親(父親は既に他界)だけのケース、しかし、母親が高齢で相続財産を管理できないので母親が相続放棄をして次順位相続人の弟に相続させたい場合。
  • 父親が死亡して、相続人は妻と子供二人。子供二人は、相続財産を全て母親に譲りたいと思い、子供二人が揃って、相続放棄した。

ポイントを整理すると、相続放棄をすると同順位に他の相続人がいれば、相続放棄によりその同順位の他の相続人の相続分が放棄者の分だけ増加します

また、同順位に他に相続人が存在しない場合は次順位の相続権を持つものが新たに相続人となります。

このような他の相続人に財産を相続させたい場合の事例で、特に危険になってくるのが、②と③のような事例によって次順位相続人に相続を譲る場合です。

しっかりと戸籍を確認せずに相続放棄をしてしまうと、弟以外に、思わぬ相続人が登場してしまいます。

②の例でいえば、他界している父親に、もしも、前妻に子供がいた場合、母親が相続放棄をすると同時に、弟と共に前妻の子供も相続権を取得することになります。

母親の相続放棄をするために必要な書類だけですと前妻の子供の存在を見落とす可能性があり、見落としたまま相続放棄をしてしまうと全く認識のない相続人が発生してしまう可能性があるのです。

特に、良かれと思って相続放棄をしたような③の事例だと、さらに質が悪いでしょう。

こちらも、キチンと戸籍を調査せずに、相続放棄してしまうと、子供が相続人にならない代わりに、亡くなった父親の両親、あるいは、父親の両親が既に他界している場合は、父親の兄妹が相続人として登場してしまい。

相続放棄した子供の意図と違って、それぞれが、取得することになった相続分の引渡を主張した出すという事になりかねません。

いずれにせよ、当初とは面識のなかった相続人や、財産処分の方針が全く違う相続人と、相続財産を共有するという事態になってしまいます。

このように、戸籍調査の伴わない、思い付きで申述する相続放棄はロクなもんではありません。是非、慎重に事を進めていただいたほうがいいでしょう。

2.相続放棄は撤回できない。

前回の記事でも書きましたが、相続放棄の怖いところは、一度、相続放棄が家庭裁判所に認められてしまうと、その後で『やっぱり相続放棄をやめます。』などとは言えない点にあります。

一応、例外的に、親族などから詐欺行為として、騙されて相続放棄をさせられたなどの場合ならば、取消しが出来る可能性はあります。

しかし、それ以外だと、ほぼ相続放棄の効力を覆すことは不可能です。

安易に相続放棄などしてしまうと、取り返しのつかない事態になってしまう場合がありす。

もちろん、相続放棄は申述するにも、3カ月という比較的、短い期間の制限もあり、手続き上非常に焦る気持ちはとても理解できます。

しかし、その反面で、非常に拘束力が強い法律手続きですので、くれぐれも、慎重にご注意ください。

もしも、実施に際して、ご不安があるなら、一度、お近くの専門家に相談してみるのが良いでしょう。

まとめ

相続・遺言を解決する当事務所では、相続手続きや遺言書作成だけでなく、相続放棄についてお困りの、ご相談者様への対応もさせていただきます。

どこに相談していいのかわからないといった方はまず当事務所までご相談ください。親切丁寧に司法書士が対応いたします。

ご相談予約も下記のお電話番号または問い合わせフォームから依頼可能です。

なお、相続放棄以外にも、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。

枚方市・交野市・寝屋川市の皆さんへ、相続・遺言・遺産分割のまとめ情報

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