相続発生後の年金の受給停止手続は10日以内！忘れると大問題に！

もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。

前回の記事より、相続登記の前となり、相続の開始であるご臨終から、葬儀、を実施するまでの、一連の流れについての情報を取りまとめてみました。

ご臨終の迫った、ご家族様にとしても、近親者の死亡はごく日常から発生する話でも無く、突然、当日を迎えてどうしたらいいのか分からなかった、と仰るかたは多いです。

各ご家庭の事情に応じて、若干、実施される内容は異なっては来るでしょうが、今回の記事で、被相続人の方の年金に関する手続きについて、及び、注意点となる部分についての内容を、前回の葬儀に関する記事にひきつづき、まとめてみましたので、どうぞご参考いただければと思います。

この点、今回、年金に関する手続きに関しては、行政に対する手続きになるので、期限と罰則が設けられている点に、ご留意いただければ幸いです。

被相続が年金を受給していた場合は、国民年金の場合は14日以内、厚生年金の場合は10日以内に、受給停止の手続をしなければならないからです。

手続が必要な人と不要な人

日本年金機構にマイナンバーが収録されている方については、役所に死亡届を提出することによって、その情報が年金事務所にも共有されるため、手続きは不要です。（※日本年金機構に個人のマイナンバーが収録されているかどうかを知るには、年金事務所での確認が必要です。）

マイナンバーが収録されていなかった場合には、「受給権者」死亡届(報告書)」に必要事項を記入し、個人の年金証書と、死亡診断書のコピー等をそえて、年金事務所または年金相談センターに提出します。

なお、被相続人の受給していた年金が、障害基礎年金、遺族基礎年金のみを受けていた場合であれば、提出先は年金事務所ではなく、役所になります。

「亡くなったはずの両親の年金を何年間も不正受給していた」というニュースが流れることがありますが、死亡届を提しないと、本来貰えないはずの年金が支給され続け、後々問題になることがあります。

必ず、忘れずに手続きをしましょう。

参考：受給権者死亡届(報告書)の記入例

ちなみに、年金の不正受給が発覚すると、以下のようなことが起こります。

●5年以内の不正受給については返還が求められる
国民年金法や厚生年金法によりますと、“偽りその他不正の手段により給付を受けた者、つまり不正受給をした人に対して、国や実施機関は受給額に相当する金額の全部または一部を徴収することができる”とされています。

返還の対象は、返還を求める時点から過去「5年」以内のものとなります。

また、この金額は、年金が支給された日の翌日から起算しまして、その間の利息も含めた金額を、国や実施機関から返還が求められることにもなります。

●年金の不正受給で詐欺罪などに問われることも
また、「不正受給が発覚したら返せばすむだろう。」と思っていれば、それも問題となります。

国民年金法では、偽りその他不正な手段により給付を受けた者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処すること、刑法に正条があるときは、刑法によることが定められているからです。

この場合、年金の不正受給事件で最も問われるのは「詐欺罪（刑法246条）」です。

その為、その手口が詐欺罪に問われた場合、法定刑が10年以下の懲役である詐欺罪が優先されることになります。

事実、年金を不正受給していた家族が詐欺罪で逮捕、起訴されましたケースは存在します。

例えば、2010年の東京都足立区の事件では、111歳で生存しているはずの男性が、実は30年以上前に亡くなっており、男性に支給されていた（遺族共済）年金を家族が長年だまし取っていたことが発覚しました。

その結果、年金を不正受給していた家族が詐欺罪で逮捕、起訴されました。（参照：現代ビジネス社　孤独死して“ミイラ”で発見された女性、死後4年経っても「家賃が振り込まれていた」その驚愕のワケ）

改めて強調するまでもなく、厳しい刑罰を伴う年金の不正受給に関与するメリットは1つもありません。その為、相続の発生後は、必ず迅速に年金停止の届出をいただくことをおすすめいたします。

当事務所では相続手続きのサポートを積極的に行っております。

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