こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。

前回の記事より、相続登記の前となり、相続の開始であるご臨終から、相続に関して必要な手続きが完了するまでの、一連の流れについての情報を取りまとめてみました。

ご臨終の迫った、ご家族様にとしても、近親者の死亡はごく日常から発生する話でも無く、突然、当日を迎えてどうしたらいいのか分からなかった、と仰る方は多いです。

各ご家庭の事情に応じて、若干、実施される内容は異なっては来るでしょうが、今回の記事で、被相続人の方の住民票の世帯主変更について、及び、注意点となる部分についての内容を、まとめてみましたので、どうぞご参考いただければと思います。

1.世帯主の変更届

世帯主が亡くなった場合には、「世帯主の変更届」が必要です。期限は14日以内とかなりタイトです。

住民票上の世帯主とは何かと言えば、1つの住民票の中に記載されている世帯の代表者のことをいいます。

主に世帯の生計を担っている人で、社会通念上妥当と認められる人と定義されていますが、15歳以上の人であれば、年齢や所得に関係なく、世帯主として届け出ることが可能です。

例えば、この住民票に記載される“世帯主”と呼ばれる肩書の使われ方として、近年では、新型コロナウイルス対策として国民1人につき一律10万円が支給された特別定額給付金について、世帯主の口座に家族全員分が振り込まれるしくみがとられことは記憶されておられる方もいるのではないでしょうか?

このように、行政的な手続きを行う上での、世帯を代表する立場になられる方のことを世帯主といいます。

2.住民異動届とは?

 世帯主が死亡した場合に、亡くなった世帯主から新しい世帯主へと登録変更をするための届出です。

手続き様式、記入用紙は市区町村によって異なりますが、役所の窓口やホームページから入手が可能です。

基本的には、現在お住いの市区町村役場に提出しますが、自治体によっては、支所や出張所、サービスコーナーでは受付をしていない場合もありますので、ご注意ください。また、郵送での手続は原則としてできません。

届出ができる人は?

  • 変更後の世帯主となる人、あるいは同一世帯の人

届出に必要なものは?

  • 窓口に行く人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  • 窓口に行く人の印鑑(認識でOKです)
  • 国民健康保険証(加入している場合のみ)
  • 代理人が届出をする場合には、委任状
  • 印鑑については、届出書に届出人が署名をする場合には不要です。(※各自治体にもよります。)
  • 故人の配偶者がお年を召していて、ご自身で住民移動届を記載する事が難しく、付き添いの子供が記載するような場合には、ご自身の印鑑が必要になりますので、ご注意ください。

届出しなくても良い場合

 変更する必要がない場合や変更にあたって選択の余地がない場合には、この手続きは必要ありません。具体例を挙げます。

1人暮らしだった方が亡くなった場合には、その後、その世帯で世帯主となる人が存在しないため、届出は不要です。

世帯主が亡くなり、その世帯に残った人が1人だけの場合には、新たに世帯主になる人が確定している(選択の余地がない)ため、届出は不要です。

もともと世帯主ではなかった方が亡くなった場合には、変更する必要がないため、届出は不要です。

世帯に残った人が、配偶者と15歳未満の子供である場合、15歳未満の子供は世帯主になることができないため、届出は不要です。つまり、世帯主が死亡し、その世帯に15歳以上の方が2人以上残っている場合には届出が必要ということになります。

期限を過ぎた場合の罰則が規定

 変更の事由が生じた日(世帯主の方が亡くなった日)から14日以内に提出をする必要があります。世帯主の変更を14日以内にできなかった場合、住民移動届とあわせて届出期間経過通知書を提出しなければなりません。

これは、届出期限までに提出できなかった理由を記載するための書類です。この通知書は管轄の簡易裁判所に送付され、遅延期間や遅延理由によっては5万円以下の過料が科される可能性があります。

3.本人以外、別世帯者以外の場合の住民異動届の注意点

住民異動届の届出ができるのは、新たに世帯主になる本人、もしくは同一世帯の人です。

つまり、それ以外の人が届出をする場合には、委任状が必要になります。

ここでは、委任状が必要になるケースを見ていきましょう。

A県に父、母、次男が同居しています。長男はB県で自分の家族と暮らしていたとします。住民票上の住所が別であるこの状態を「別世帯」と呼びます。

この度、A県で暮らしている父が亡くなり、母が新しい世帯主になりました。しかし、老いた母では手続きが難しいため、別世帯の長男が代わりに世帯主変更のための住民異動届を提出することにしました。

この場合、母から長男への委任状は必要になります。

同居していても、委任状が必要か?

他のパターンも紹介します。

父、母、次男と長男一家が同居していたとします。

同じ家に住んでいますが、父と長男家族は、お財布は別々で、独立した生活を送っています。

※住民票上の住所が同じであっても、生計を共にしていない状態を「同住所別世帯」と呼びます。

その状態で父が亡くなり、父、母、次男世帯は、母を新たな世帯主にしました。

しかし、年老いた母では手続きが難しいため、同住所別世帯の長男が代わりに住民異動届を提出することにしました。

 この場合も母から長男への委任状は必要なのです。同じ住所であっても世帯が別のため、委任状が必要となります。

 ちなみに、住民票上の住所がおなじであり、かつ、生計を共にしている状態のことを「同一世帯」と呼びます。

生計を共にしているとは、生活費を同じお財布から出している状態を指します。この場合、母から長男への委任状は不要となります。

まとめ

当事務所では相続手続きのサポートを積極的に行っております。

ご葬儀が無事に済みまして、もしも、預貯金や不動産の相続手続きが必要な場合には、まずはお気軽に当事務所へご相談ください。

相続開始の初期にご相談を頂ければ、相続財産の手続きに先立ちまして、対応方法の全体像をお伝えすることが可能です。

他にも、相続した不動産の売却処分(換価分割)でもお困りなら当事務所まで是非ご相談ください。⇒不動産相続 相続登記お任せプラン 相続の開始から売却までのご相談にも対応いたしております。

なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。

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