こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。

前回の記事よりつづき、相続登記の前の段階となる、相続の開始であるご臨終から、相続に関して必要な手続きが完了するまでの、一連の流れについての情報を取りまとめてみました。

ご臨終の迫った、ご家族様にとしても、近親者の死亡はごく日常から発生する話でも無く、突然、『家族の亡くなる日を迎えて、どうしたらいいのか分からなかった。』と仰る方は多いです。

各ご家庭の事情に応じて、ご対応いただく内容は異なっては来るでしょうが、今回の記事で、家族が亡くなられた場合の遺族年金を受給する際の手続き、および、故人の未支給年金があった場合の請求方法について、について、前回の記事を深掘りする形で、まとめてみましたので、どうぞご参考いただければと思います。

遺族年金の請求手続

遺族年金は自動的に支給されるものではなく、必ず遺族年金の請求手続きが必要となります。

請求までの手続の流れ

請求手続の流れは以下の通りとなります。

  • ①「年金請求書」に添付書類をつけて年金事務所などへ提出します。
  • ②「年金請求書」を提出してから一か月程度で、「年金証書」「年金決定通知書」などがご自宅に郵送されます。
  • ③「年金証書」がご自宅に届いてから約1~2か月後に、年金の振込が始まります。

※年金の振込は偶数月に2か月分まとめて振り込まれます。

「年金請求書」は日本年金機構のホームページよりダウンロードすることができます。お近くの年金事務所または街角の年金相談センターの窓口にも備えつけてあります。

【日本年金機構のホームページ】

年金請求書の添付書類(必ず必要なもの)

  • 1.年金手帳(故人および請求者のもの)
  • 2.戸籍謄本(死亡日以降で6か月以内に交付されたもの)※1
  • 3.住民票(世帯全員分、本籍地とマイナンバーの記載は任意)※2
  • 4.故人の住民票の除票(上記3に含まれる場合は不要)
  • 5.請求者の収入を確認できる書類(課税証明書、源泉微収票等)
  • 6.死亡診断書のコピー
  • 7.預金通帳等(請求者名義のもの)

※3~5についてはマイナンバーを記入することで添付を省略できます。

※1…戸籍謄本は、法定相続情報一覧図の写しでも対応可能です。故人と請求者の続柄を確認する為に用います。

…住民票は、故人との生活維持関係を確認します。

遺族年金の問い合わせ先

遺族年金の受給手続きをされる前には、以下の問い合わせ先に「請求手続」等について問い合わせされることをオススメします。

●最寄りの年金事務所

全国の年金事務所は日本年金機構のホームページで検索すると「所在地」「電話番号」を確認できます。

参照:日本年金機構 全国の相談・手続き窓口

●街角の年金相談センター

●ねんきんダイヤル

0570-05-1165(年金相談に関する一般的な問い合わせ)

0570-05-4890(来訪相談の予約)

ご注意:年金を受ける権利は、亡くなった日の翌日から5年を経過すると時効によって消滅しますので、お早めに遺族年金の請求手続きをすることをオススメします。

遺族年金には、所得税や住民税といった税金は課税されません。

ただし、相続人がご自身の老齢年金とあわせて遺族年金を受給する場合には、遺族年金部分のみが非課税となり、ご自身の老齢年金は公的年金などに係る雑所得として課税の対象になります。

寡婦年金をもらえる人は?

 寡婦年金は、死亡日の前日において、国民年金を10年以上納めていた夫が死亡したときに、夫によって生計を維持され、かつ、夫との婚姻関係(事実婚を含む)が10年以上継続している妻が、60歳から65歳になるまでに受け取ることができます。

 なお、夫が老齢基礎年金等を受け取っていた場合など一定の場合には寡婦年金は請求することができません。

※「寡婦年金」は国民年金の独自給付制度であり厚生年金保険にはありません。

死亡一時金をもらえる人は?

 死亡一時金は、死亡日の前日において、国民年金第1号被保険者の保険料納付済期間が36か月(3年)以上ある方が死亡したときに遺族が受け取ることができます。

 なお、死亡した方が老齢基礎年金等を受け取っていたとき、または遺族基礎年金を受け取る方がいる場合には、死亡一時金を受け取ることはできません。

 ※「死亡一時金」は国民年金の独自給付制度であり厚生年金保険にはありません。

未支給年金とは?

 老齢年金は、「4月分と5月分は6月支給」というように、後払いの形で支給されます。

そのため、年金受給者が亡くなると必ず「未支給年金」が発生します。「未支給年金」は年金受給者と生計を同じにしていた人がいる場合には「未支給年金請求書」を提出することで、請求者が取得することができます。

 なお請求手続をしない場合で、既に「未支給年金」が故人の通帳に振り込まれている場合は、一定の場合を除き、当該年金は過払いという扱いになり、返納する義務を負う可能性が出てきます。

未支給年金の具体例

ケーズ① 5月に年金受給者が亡くなった場合→未支給年金は4月分と5月分となります。(4月分と5月分の年金は6月に支払われるため未支給)

ケース② 6月14日に年金受給者が亡くなった場合→未支給年金は4月分と5月分と6月分となります。(4月分と5月分は6月15日に支払われるため未支給となり、また6月分は8月に支払われるため未支給)

ケース③ 6月15日に年金受給者が亡くなった場合→未支給年金は6月分となります。(4月分と5月分は6月15日に支払い済みのため未支給にはなりません。なお6月分は8月に支払われるため未支給)

未支給年金の受給要件

未支給年金は亡くなった年金受給者と生計を同じにしていた人で、以下の優先順位が高い人がもらえます。一般的な遺産と異なり、遺産分割協議の対象になりません。

優先順位(高)「配偶者」→「子」→「父母」→「孫」→「祖父母」→「兄弟姉妹」→「三親等以内の親族」優先順位(低)。

故人と生計が同じでない場合には、たとえ相続人であっても、未支給年金を受け取ることはできません。

ここで説明する、「生計が同じ」が何を意味するかは、基本的に、故人と同居していた人のことを指しますが、別居の場合でも、継続的に経済的な援助(仕送り)が行われていた場合などには生計同一と認められる場合もあります。(

この場合には、❝生計同一関係に関する申立書❞を年金事務所へ提出する必要があります。

 なお、生計同一の同順位の人が複数いる場合(例えば、故人に配偶者がおらず、子2人と同居していた場合など)には、代表者が請求を行い、給付を受けた後に当事者で分け合う形になります。

未支給年金の請求手順

また、未支給年金は遺族年金と同じで、こちらも請求手続きを回収することはできません。

自分から、「未支給年金請求書」に添付書類をつけて年金事務所に提出する必要があります。

未支給年金の課税関係

未支給年金は相続財産ではなく、支払いを受けた人の一時所得として所得税の課税対象になります

一時所得なので、その他の一時所得と合算して50万円(特別控除額)以下であれば所得税は発生しません。

まとめ

今回の記事の参照元:遺族年金 日本年金機構

今回は、相続発生後の、遺族年金の受給手続き、未支給年金があった場合の請求方法について、まとめてみました。

その他にも、当事務所では相続手続きのサポートを積極的に行っております。

ご葬儀が無事に済みまして、もしも、預貯金や不動産の相続手続きが必要な場合には、まずはお気軽に当事務所へご相談ください。

相続開始の初期にご相談を頂ければ、相続財産の手続きに先立ちまして、対応方法の全体像をお伝えすることが可能です。

他にも、相続した不動産の売却処分(換価分割)でもお困りなら当事務所まで是非ご相談ください。⇒不動産相続 相続登記お任せプラン 相続の開始から売却までのご相談にも対応いたしております。

なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。

枚方市・交野市・寝屋川市の皆さんへ、相続・遺言・遺産分割のまとめ情報

CONTACT

お問い合わせ

初回のご相談は無料です。まずはお気軽にご相談ください。
事前のご予約いただければ夜間・土日の無料相談も承っております。