こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。
もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。
葬式費用とともに相続財産との関わりでよく質問を頂くのが、香典の扱いです。
お亡くなられた方(被相続人)の葬儀で参列者から頂く香典や、被相続人が勤務されていた会社から頂いた弔慰金など、これらは相続財産になるのかという問題です。
被相続人の通夜や葬儀で頂いたお金だから相続財産のようにも感じられますし、それらが相続財産であるなら、相続税との関係も気になります。
今回は、相続の観点から、通夜や葬儀で頂くことになる、香典や弔慰金の扱いについて解説していきたいと思います。
目次【本記事の内容】
1.香典は相続財産になるのか?
この点、香典は通夜や葬儀の参列者が通夜葬儀費用の一部を負担しているととらえられており、喪主(遺族)への贈与と理解されています。
すなわち、香典は喪主(遺族)への贈与として扱われ、相続税の問題は生じません。(※尚、細かい部分ですが、通夜や葬儀費用そのものは相続税の計算において控除が可能ですが、その後の香典返し等は相続税の計算時に控除することはできません。)
ただ、相続税が問題にならないとはいえ、贈与ではありますので、金額が社会通念上考えられないような高額な場合は贈与税の問題が発生します。
2.弔慰金は相続財産になるのか?
弔慰金も被相続人が生前に有していた財産ではありませんので、相続財産ではありません。
つまり、原則的に相続税の問題は生じないことになります。
しかし、弔慰金が高額になる場合は、死亡退職金と同様に、みなし相続財産とされ、相続財産ではないにも関わらず相続税が課される可能性はあります。
①被相続人が業務上死亡した場合…被相続人の死亡当時の普通給与の3年分に相当する金額を超える弔慰金の場合は、みなし相続財産とみなされます。
②被相続人が業務上死亡ではない場合…被相続人の死亡当時の普通給与の半年分に相当する金額を超える弔慰金の場合は、みなし相続財産とみなされます。
(相続又は遺贈により取得したものとみなす場合)
相続税法第3条の2
被相続人の死亡により相続人その他の者が当該被相続人に支給されるべきであつた退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与(政令で定める給付を含む。)で被相続人の死亡後三年以内に支給が確定したものの支給を受けた場合においては、当該給与の支給を受けた者について、当該給与
及び国税庁法令解釈通達〔退職手当金関係〕
(弔慰金等の取扱い)
3-20 被相続人の死亡により相続人その他の者が受ける弔慰金、花輪代、葬祭料等(以下「弔慰金等」という。)については、3-18及び3-19に該当すると認められるものを除き、次に掲げる金額を弔慰金等に相当する金額として取り扱い、当該金額を超える部分の金額があるときは、その超える部分に相当する金額は退職手当金等に該当するものとして取り扱うものとする。(昭57直資2-177改正)
(1) 被相続人の死亡が業務上の死亡であるときは、その雇用主等から受ける弔慰金等のうち、当該被相続人の死亡当時における賞与以外の普通給与(俸給、給料、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当等の合計額をいう。以下同じ。)の3年分(遺族の受ける弔慰金等の合計額のうち3-23に掲げるものからなる部分の金額が3年分を超えるときはその金額)に相当する金額
(2) 被相続人の死亡が業務上の死亡でないときは、その雇用主等から受ける弔慰金等のうち、当該被相続人の死亡当時における賞与以外の普通給与の半年分(遺族の受ける弔慰金等の合計額のうち3-23に掲げるものからなる部分の金額が半年分を超えるときはその金額)に相当する金額
引用元:相続税法第3条、国税庁法令解釈通達〔退職手当金関係〕
3.まとめ
ここまで解説してきたように、香典や弔慰金は相続財産ではありません。
しかし、弔慰金のように相続財産ではないにも関わらずみなし相続財産とされ相続税が課されてしまうケースがあります。
また香典も相続税ではないにしろ、贈与という性質を持っている以上、特に高額な場合であると贈与税が課されてしまいます。
そういった問題が生じないためには、何が相続財産になるのか?また、どのような手続きや税金が発生するのなどは理解いただいた方がよいでしょう。
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