こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。

さて、本記事では、幾つか種類のある遺言書の中でも、最も確実に遺言執行に移行できる種類の遺言といえる、公正証書遺言について解説をしていきたいと思います。

公正証書遺言とは、自分自身が手書きで作成する自筆証書遺言に比べて、公証人関与のもと作成する方法であるため、形式面でも不備が最も発生しにくく、実務上、遺言内容の執行面でも非常に確実な遺言書です(民法969条)。

最大の特徴は遺言を公正証書で作る点。

遺言書をワザワザ公正証書にして作成する意味として、これを第三者である公証人が作成する結果、遺言書が一種の公文書として扱われることが最大のポイントです。

特に、ご自身の相続発生後に、家族同士の遺産分割が円滑に進みそうにないような場合であれば、遺言を公正証書で作成しておくことで、その内容も公証役場で保管してくれます。

逆に、紛争の可能性がそれほど高くないご家族であったとしても、あらかじめ公正証書遺言で遺産の分け方を確定しておくことで、紛争予防としての効果も発揮します。

また、公正証書遺言は遺言作成者の死後、家庭裁判所による遺言の検認作業が省略されます。(※検認とは遺言書が形式的に有効に作成されているかの確認を家庭裁判で行う調査のこといいます。)

自筆証書遺言書と違い、家庭裁判所での検認手続きが簡略されることは、残されたご家族にとっても、大いに心労が軽減されることでしょう。

さらに、大きな特徴として、自筆証書で遺言を作成しておいたとしても、実際問題には、法定相続人の中に、それが被相続人が真に作成したものなのか?遺言者本人の真意であるのか?など、相続人の中から争いを起こす者が出現することも想定されます。

そういった問題を防止する観点からも、公文書として作成された公正証書遺言は非常に遺言書としての信頼度が高いです。

公正証書遺言のメリット、デメリット

次に、公正証書遺言のメリットとデメリットについてまとめてみます。

公正証書遺言のメリット

メリットについては一部、上記の特徴を説明する部分でも触れましたが、やはり公正証書遺言作成を選択する際の、一番大きな理由になる部分としては、遺言の有効性が担保される点です。

公正証書遺言は公証役場で公証人によって作成されるため、形式上の要件不備で、遺言自体が無効になることは通常考えられません。

特に、比較してみれば分かるのですが、自筆証書遺言の場合だと、遺言作成者が不備に気付かないまま作成されてしいて、無効になってしまうケースが多いです。⇒遺言書の失敗で相続が混乱、自筆証書遺言の注意点

他にも、公正証書遺言であれば必ず参加してくれる、公証人本人と証人のような第三者が関与しない為、推定相続人による詐欺や強迫等によって、作成者の意図するものではない遺言が作成されてしまう可能性もあります。(※こういったことが無くても、偽造の疑義を減らせます。)

自筆証書遺言(法務局保管を除く)では検認作業を省略できませんので、相続手続きにおいて若干ですが余計な手間が発生します。

これら上記のように、公正証書遺言を残せば、確実に遺言を残したいときに効果を発揮します。

また、遺言書の作成後は、公証役場で管理されますので、遺言書そのものの紛失や破棄、相続発生後に、誰にも見つけられなかったというような類の心配もありません。

公正証書遺言のデメリット

逆に公正証書遺言のデメリットは、少ないですが、敢えて言うなら公証人や証人に自分の財産を公表しなくてはならない点です。

次に言えることは、公証人と証人(手配を依頼した場合)に手数料、報酬を払う必要がありますし。

また、より正確な財産内容の調査に書類収集の実施が必要なので、この点で自筆証書遺言より作成に手間がかかりますし時間もかかります。(※これらの部分で司法書士等に業務を依頼された場合は、報酬が発生します。)

もしも、このような心配よりも、より確実有効な遺言を希望される方であれば、公正証書遺言を選択すればいいでしょう。

公正証書遺言は公証役場で作成可能

公正証書遺言とは、公証役場の公証人から作成してもらう遺言書のことです(民法969条)。

遺言書の中で最も高い確立で執行してもらえるものなので、現在では多くの方がこの方法により遺言書を作成しています。

(注※遺言書通りに執行されるか否かは、あくまで相続人側の判断に委ねられており、遺言書が発見されないまま相続手続きが行われる可能性もあります。100%遺言者意思が実現されるわけではないのでご留意ください。)

公証役場は、日本全国に満遍なく存在しておりますので、ご自身の最寄りの公証役場をこちらから事前に調べていただくといいと思います。⇒全国の公証役場についての情報

公証役場に出向くことができない場合は?

遺言者本人がご高齢、もしくは体調の関係で、必ずしも自分では公証役場に行くことができない場合があると思います。

そういった場合には、出張対応にて公証人に自宅や病院・施設に来てもうらう方法もあります。

出張費用が別途でかかりますが、もし公証役場に出向くことが難しければご検討してみてください。

まとめ

ここでは公正証書遺言について触れてきましたが、実際の作成方法や内容に不安のある方は、一度専門家に相談されることをお勧めします。

相続の開始から売却までのご相談にも対応いたしております。

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なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。

枚方市・交野市・寝屋川市の皆さんへ、相続・遺言・遺産分割のまとめ情報

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